おとめ座の由来地上を去った正義
アラトスは、おとめ座を、かつて人々のあいだに住んでいた「正義(ディケ)」だと書いています。
人々と住んでいたころ
おとめ座は、手に輝く麦の穂を持つ乙女です。アラトスは、星々の父アストライオスの娘か、ほかの神の娘か、とことわってから話を始めます。〔パイノメナ 96–99〕
昔、黄金の種族の時代、彼女は地上で人々と並んで座り、長老たちを広場に集めて、民にやさしい裁きを説きました。争いも戦もなく、船もまだなく、牛と鋤と正義が人々を養いました。〔パイノメナ 100–114〕
天へ
銀の種族の時代になると、夕方に山からひとりで下りてきて、だれとも親しく話さず、悪い行いを叱って「もう顔を見せない」と告げて山へ去りました。〔パイノメナ 115–128〕
青銅の種族が生まれ、初めて剣を鍛え、耕す牛の肉を食べるようになると、正義はこの種族を嫌って天へ飛び去りました。いまも夜、うしかい座の近くに乙女として見える、とアラトスは結びます。〔パイノメナ 129–136〕
ほかの本では
ヘシオドスは、ディケをゼウスとテミスの娘、ホーライ(季節の女神たち)の 1 人にあげています。〔神統記 901–906〕
オウィディウスは、鉄の時代に血でけがれた地上を最後に去った天の神を「乙女アストライア」と呼んでいます。星座のことは書いていません。〔変身物語 1.149–150〕
星空で見る
星の並びと見ごろは星座図鑑に、話は原典の英訳に、と分けて置いています。
出てくる人と神
名前を押すと、系図でその親と子をたどれます。
原典: ヘシオドス・アポロドーロス・オウィディウス・アラトスの著作権の切れた英訳(版と訳者は下の「原典と版」)。最終確認日 2026-10-02。言い伝えは本によって違います。このページは、下の版で確かめられたことだけを書いた要約です。
原典と版
- アラトス『パイノメナ』: A. W. Mair・G. R. Mair 訳 “Callimachus, Lycophron, Aratus”(Loeb Classical Library 129, 1921)。Theoi Classical Texts Library(Mair 訳の本文)
- ヘシオドス『神統記』: Hugh G. Evelyn-White 訳 “Hesiod, the Homeric Hymns, and Homerica”(Loeb Classical Library 57, 1914。行番号は訳書の区切り)。Project Gutenberg #348
- オウィディウス『変身物語』: Henry T. Riley 訳 “The Metamorphoses of Ovid”(H. G. Bohn, 1851)。行はラテン語原文の行。Project Gutenberg #21765(1〜7 巻)・#26073(8〜15 巻)
最終確認日 2026-10-02。