おうし座の由来ゼウスとエウロペ
おうし座は、白い牛に化けたゼウスが、王女エウロペを背に乗せて海を渡った話と結びついています。
白い牛
ゼウスは息子ヘルメスに、シドンの浜へ王の牛の群れを追わせました。そこでは王アゲノルの娘エウロペが、仲間の娘たちと遊んでいました。ゼウスは雪のように白い牛になって群れにまざります。角は小さく宝石より澄み、目つきはおだやかでした。〔変身物語 2.833–858〕
エウロペははじめこわがりましたが、花を差し出し、角に花輪をかけ、とうとう背中に座ります。牛は少しずつ水に入り、沖へ泳ぎ出しました。エウロペは右手で角をつかみ、遠ざかる浜をふり返りました。〔変身物語 2.858–875〕
星座になる
『祭暦』は、岸に着くとゼウスが牛から神の姿にもどり、牛は天に上って星座になった、と書きます。そして、大地の 3 つの部分の 1 つがエウロペの名で呼ばれる、と続けます。〔祭暦 5.603–618〕
同じ箇所で、この星座は人から牛に、牛から女神になったファロスの牝牛だという人もいる、と添えています。〔祭暦 5.619–620〕
クレタで
アポロドーロスでは、牛はエウロペをクレタへ運び、エウロペはミノス、サルペドン、ラダマンテュスを産みます。父アゲノルは息子たちに「見つけるまで帰るな」と言って探しに出しましたが、見つからず、息子たちはよその土地に住みつきました。〔ビブリオテーケー 3.1.1〕
木星の衛星 Europa は、このエウロペの名です(名前の由来の一覧)。〔IAU 衛星の名〕
星空で見る
星の並びと見ごろは星座図鑑に、話は原典の英訳に、と分けて置いています。
出てくる人と神
名前を押すと、系図でその親と子をたどれます。
原典: ヘシオドス・アポロドーロス・オウィディウス・アラトスの著作権の切れた英訳(版と訳者は下の「原典と版」)。最終確認日 2026-10-02。言い伝えは本によって違います。このページは、下の版で確かめられたことだけを書いた要約です。
原典と版
- オウィディウス『変身物語』: Henry T. Riley 訳 “The Metamorphoses of Ovid”(H. G. Bohn, 1851)。行はラテン語原文の行。Project Gutenberg #21765(1〜7 巻)・#26073(8〜15 巻)
- オウィディウス『祭暦』: Henry T. Riley 訳 “The Fasti, Tristia, Pontic Epistles, Ibis, and Halieuticon of Ovid”(H. G. Bohn, 1851)。行はラテン語原文の行。Internet Archive(1851 年版のスキャン)
- アポロドーロス『ビブリオテーケー』: Sir James George Frazer 訳 “Apollodorus, The Library”(Loeb Classical Library 121・122, 1921)。「E」は摘要。Theoi Classical Texts Library(Frazer 訳の本文)
- IAU 惑星系命名作業部会(WGPSN)「Planet and Satellite Names and Discoverers」: Gazetteer of Planetary Nomenclature(IAU WGPSN・USGS)。https://planetarynames.wr.usgs.gov/Page/Planets
最終確認日 2026-10-02。