おおぐま座の由来カリストとアルカス
おおぐま座は、ゼウスに愛され、クマの姿にされたカリストだと伝えられます。オウィディウスとアポロドーロスが、少しちがう筋で書いています。
オウィディウスの話
カリストは狩りの女神アルテミスのお供でした。ゼウスはアルテミスの姿をまねて近づき、カリストは男の子アルカスを産みます。〔変身物語 2.401–465〕
怒ったヘラは、カリストの髪をつかんで地面に投げ倒しました。腕は黒い毛におおわれ、手は曲がった爪に、口は大きく裂け、言葉は出なくなります。心だけは人のままで、狩人だったのに猟犬におびえて山をさまよいました。〔変身物語 2.466–495〕
15 年近くたち、森で獣を追っていたアルカスが母に出会います。じっと見つめてくるクマを、アルカスは槍で突こうとしました。ゼウスがそれを止め、2 人を風で天へ運んで、となりあう星座にしました。〔変身物語 2.496–507〕
それでもヘラの怒りはおさまりません。海の神オケアノスとテテュスのもとへ行き、星になった 2 人を海の水に入れないでほしいと頼み、2 人の神は聞き入れました。〔変身物語 2.508–530〕
アポロドーロスの話
アポロドーロスでは、クマに変えたのはゼウス自身で、ヘラの目をのがれるためでした。ヘラに言われたアルテミスが、獣としてカリストを射ます。ゼウスは赤ん坊を取り上げてアルカスと名づけ、マイアに育てさせ、カリストを星にして「クマ」と呼びました。〔ビブリオテーケー 3.8.2〕
こぐま座のべつの話
アラトスは 2 つのクマの星座を、クレタのイダの山の近くで幼いゼウスを 1 年育てた 2 人だと書きます。名はキュノスラとヘリケ。ギリシャの船乗りは大きいヘリケで、フェニキアの船乗りは小さいキュノスラで向きを決めた、とも書いています。〔パイノメナ 26–44〕
オウィディウスもアポロドーロスも、アルカスがどの星座になったかは名指ししていません。
星空で見る
星の並びと見ごろは星座図鑑に、話は原典の英訳に、と分けて置いています。
出てくる人と神
名前を押すと、系図でその親と子をたどれます。
原典: ヘシオドス・アポロドーロス・オウィディウス・アラトスの著作権の切れた英訳(版と訳者は下の「原典と版」)。最終確認日 2026-10-02。言い伝えは本によって違います。このページは、下の版で確かめられたことだけを書いた要約です。
原典と版
- オウィディウス『変身物語』: Henry T. Riley 訳 “The Metamorphoses of Ovid”(H. G. Bohn, 1851)。行はラテン語原文の行。Project Gutenberg #21765(1〜7 巻)・#26073(8〜15 巻)
- アポロドーロス『ビブリオテーケー』: Sir James George Frazer 訳 “Apollodorus, The Library”(Loeb Classical Library 121・122, 1921)。「E」は摘要。Theoi Classical Texts Library(Frazer 訳の本文)
- アラトス『パイノメナ』: A. W. Mair・G. R. Mair 訳 “Callimachus, Lycophron, Aratus”(Loeb Classical Library 129, 1921)。Theoi Classical Texts Library(Mair 訳の本文)
最終確認日 2026-10-02。